目次
歯のクリーニングは「保険」でOK!
歯のクリーニングは、こんな手順で進めます
「チクチク」やるやつ、なんですか?
歯のクリーニングは基本、「60分枠」です
歯科衛生士に聞いてみた!私の「こだわりポイント」
「何かあるから行く歯医者」じゃなくて「何でもないときに行く歯医者」
取材後記
歯のクリーニングは「保険」でOK!
―歯のクリーニングは、保険と自費とあるんですけれど、どっちもやっているんですか?
【木村】
メインは保険の歯のクリーニングになります。自費もありますが、「保険でやってあげたい」という庶民的な感覚の歯医者さんです。(笑)
―患者さんのお財布まで考えていて、素晴らしい!保険でOKということですね!と、素朴な疑問ですが「歯のクリーニング」と「歯の検診」は一緒ですか?
【木村】
「歯の検診」に来た時に同時に、「歯のクリーニング」をしています。
―初診時は問診票の記入があると思いますが、再診時にも問診票の記入をするんですか?
【木村】
初診時は、書いてもらったことをお話ししながら再度確認する感じですね。再診時は、お話ししながら聞くので記入していただくことはないですね。
―初診で歯のクリーニングに来た時、「実は『他の気になるところ』があってくる」患者さんは多いですか?
【八巻】
あったりします。
「着色が気になる」「歯石が気になります」、または「クリーニングで来たけれど、実はしみるんです」とかあります。
歯のクリーニングは、こんな手順で進めます
―歯のクリーニングで来た時、最初は何からするんですか?
【八巻】
何の治療をするにしても、最初に「含み磨き」から始まります。
―ふくみみがき??
【原】
お口を消毒する「次亜塩素酸水」で「うがい&含み磨き(ふくみみがき)」をしてから歯ブラシをすることを、当院ではおススメしています。
お口の中を診る前にやることでお互いの感染予防になり、処置直前にお口の中の菌をなるべく少なくすることが出来ます。
お口の中の菌をなるべく少なくすることで、虫歯や歯周病に「なっている」ところから「なっていない」ところへの感染を防ぎます。
―確かに治療前に「菌レベル」でお口をキレイにしておくことは大事ですね。歯のクリーニング以外の他の治療でもそうですか?
【原】
何の治療をするにしても、やっていただいています。ブクブクしたら、すぐにペッとしないで。
―(つっこみ気味に)え?「ブクブクペッ」じゃないんですか?
【原】
はい。 含んでもらったらまず15秒ブクブクして、そのお水を含んだまま歯ブラシをしたしながら歯磨きをします。
―水を含んだまま歯ブラシをする???
【原】
「次亜塩素酸水」を15秒含むことで、バイキンや汚れが溶けます。そこから治療に入ります。
―歯のクリーニングの次のステップは?
【原】
お口の中を拝見して、主訴(しゅそ:一番気になるところ)と照らし合わせて確認して、気になるところはないかを拝見します。
【木村】
そういえば、受付含めひまわり歯科相模原スタッフ全員が「ホームケアアドバイザー」の有資格者になりました。
「チクチク」やるやつ、なんですか?
【木村】
最初は歯科衛生士が、歯や歯ぐきに大きい問題がないかをざっと診ます。更に、クリーニングしながら細かく診ます。歯ぐきの検査をして・・・。
―歯ぐきの検査?
【黒川】
歯周病の「程度」の検査です。
―歯周病の検査であの「えんしん」とか「きんしん」とかいうやつですか?
【黒川】
歯ぐきの境目を、「プローブ」(下記イラスト参照)という器具で測っていきます。遠心(えんしん)は奥歯の方向のことで、近心(きんしん)は手前の方、ですね。検査時に、歯のどこの部分か?を記録するためにそのような言葉を使います。
―言葉の意味が少しでも分かるだけでも、ドキドキせずに済みます。(汗)あれは、あの尖がったヤツは、「プローブ」というのですね。あれで押して、血が出るか出ないかを診ているんですか?
【黒川】
歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の深さを測りつつ、出血の具合も確認します。
―測った時点で血が出ていたら、それは「歯ぐきが腫れている=歯周病判定」ということですか?(汗)
【黒川】
はい、あと「痛みがある」も判定基準ですね。ちなみに、歯周ポケットの深さは「3ミリまでが健康、4ミリがグレー、5ミリだと歯周病になってるかな?」です。
―ちょっと触っただけで血が出るのは?
【梅木】
それだけで血が出るのは、結構な炎症ですね。歯周ポケットのデータを取ったら、歯のクリーニングに入ります。
歯のクリーニングは基本、「60分枠」です
―ひと枠何分ですか?
【梅木】
60分(1時間)です。
歯のクリーニングに60分取る医院は、なかなかないと思います。
【木村】
患者様によって違います。忙しい方もいらっしゃるので、ご希望によってはもう少し短くすることもあります。
―普通、歯医者さんのひと枠は30分というイメージですが、60分あればお話をする時間もありますね。そこは他院との大きな違いですね。
【梅木】
時間もそうですが、気持ち的にも全然違いますね。
―あと、来る前にはデンタルフロスまでしてきた方がいいんでしょかう?
【梅木】
清掃してきていただけると、歯科衛生士にしかできない施術に充てる時間を多くとることが出来ます。お家で上手にメンテナンスできるように、ブラッシング指導に充てることもできます。
―ブラッシング指導もしてもらえるんですね!
【梅木】
炎症の度合いなどお話しした後に、その流れで磨き方のお話をさせてもらいます。スケーリング(歯石取り)の前に「ここに歯石があるので、ここを重点的に磨いてくださいね」と指導することもあります、動かぬ証拠ですからね。(笑)
場所により磨き方も違うので、細かくお知らせしています。歯と歯ぐきの境目は特に分かりづらいので、口腔内カメラ(下記画像)でお見せすることもあります。
【木村】
口腔内カメラで、歯石が付きやすい場所(ビフォー)を目で見てからアフターを見ると実感しますよね。
―含み磨きして、検査して、歯石取り(スケーリング)して、次はなんでしょう?
【木村】
歯科用の研磨剤(下記画像)で磨きます。何種類もあるので、患者さんと自分の好みで変えています。
―選ぶポイントは?
【木村】
着色しやすい人には着色しづらいペーストを使ったり、しみる人にはしみ止めの効果が少し入ったものを使います。
人によって変える・・・オーダーメイドの歯のクリーニングです。
歯のクリーニングが終わったら、最後に先生のチェックをしてもらいます。先生が来るまでの間にお話をしたり、患者さんの口腔内の状況と照らし合わせて当院で販売しているおすすめグッズのご提案をします。
―自分に合ったケアグッズを提案してもらえるのは、嬉しいですね!多すぎて、どれがいいか分からないですから。
【原】
「ポイックウォーターを使った含み磨き」はご自宅でも同じようなケアが出来るので、使っていただけます。最初汚れている場合は、プールっぽい・・・クロラミン臭がするんです。
―クロラミン臭?
【原】
クロラミン臭がするということは、タンパク汚れ=歯石や歯垢が付いている証拠なんです。ずっと使っている方は、そのクロラミン臭がしなくなってくるんです。
―プールの臭いのがなくなってくるんですね。
【原】
こないだ来院した昔から使っている患者さんも、そう仰ってました。
着色が気になる方は、歯のコーティング剤の役割をする「オーラループ」をおススメします。オーラループに含まれる「ポリリン酸」は、ガムの成分でも使われる生体由来成分です。コラーゲンが歯の修復をしてくれ、さらに寝ている間に唾液とまざると、よりいいんです。
【木村】
実は「歯ブラシ処方箋」というのがあります。
―おお。これなら言われたことを忘れずにうちに持って帰ることが出来ますね。
【木村】
はい、耳で聞くだけじゃなくて目で見ることでさらに深く理解していただけるのかなと思います。
歯科衛生士に聞いてみた!私の「こだわりポイント」
―伝わることは、大事なことですね。では次に皆さんの私の「こだわりポイント」教えてください。
【青野】
私は、最後に研磨材を使って磨く時、なるべく補綴物(ほてつぶつ:詰め物/かぶせ物)、特に前歯は磨かないようにしています。
前装冠(ぜんそうかん:保険の前歯のかぶせ物)は、自分の歯と違って修復能力がないので、研磨剤で磨いてしまうと着色しやすくなります。
汚れは、なるべく最初の歯ブラシ・スケーリングで取っています!
補綴物は「研磨剤」ではなく「オーラループ」を使って「ポリッシングブラシ」ではなく、「ポリッシングカップ」(上記図参照)でキレイにしておしまいにしているのがこだわりです。
歯の着色を気にしてくる方もいるので、「キレイにしたい=汚れがつきにくくしてあげたい」と思います。
【梅木】
家に帰ってからもホームケアで出来ることを、ひとつでも提案して帰ってもらいたいと思います。歯ブラシのほかに、ペリオブラシ、歯間ブラシ、他のアイテムを紹介します。
【黒川】
うちには超音波以外にも歯の掃除する機械が3種類あって、それを患者さんに合わせて使い分けています。痛い人には細めのチップにすると「しみにくさ」も違いますね。
【木村】
お口の中の状態によりますが、基本的にはリラックスして帰ってもらいたい・・・お口の中がサッパリして、「来てよかった」と思ってもらいたいです。
ペーストも何種類かあるので、女性だと「オレンジにしようかな」など選んだり、デンタルフロスも個別に選んだりして・・・美容院と同じような感覚で「また来たい」と思ってもらえたらなと思っています。
痛くないように、ちょっと時間は掛かっても、大きい歯石があってもチップは細いのしか使わないです。自分だったら痛いと来たくなくなるので、振動を弱くしたりします。
―歯のクリーニングは30分でやっている医院さんが多いと聞きました。60分枠だから出来ることですか?
【木村】
焦ってやると、こちらのバタバタ感も伝わると思うので、60分枠はお互いに余裕が出来ますよね。 ちょっとしたアイスブレイク的なことも含めてお話も出来るとなれば、「また行こうかな」と思いますよね。
【原】
私は「歯石取りは痛い」という方が多いので、超音波洗浄スケーラーを使う前に徹底的に「ペリオブラシ」という細かいところまで入るブラシに殺菌水をつけながら溶かしながらキレイにします。
あと、「スーパーフロス」というブリッジの下に通すデンタルフロスで細かい汚れを除去してから、超音波じゃないと落ちない歯石だけにしてなるべく痛くないように取る、というのはちょっと意識しています。
―超音波スケーラーは、結構ひびきますよね。
【原】
患者さんの中にはその振動が苦手な方で痛みを感じてしまう方もいらっしゃるので、なるべく少なく使って負担を少なくしてあげたいなと思っています。
【八巻】
歯の着色を気にする方が多いので、キレイに保てるように「オーラループ」や「リナメル」などでコーティングを必ずするようにはしています。最後スッキリした感じで終われます!気持ちよかったな、従来の歯医者さんとは違う印象で終われるといいなという感じですね。
「日本人の4人に3人はもっと早く歯医者に行っておけばよかった」という調査結果があります。
「何かあるから行く歯医者」じゃなくて「何でもないときに行く歯医者」
【木村】
お仕事を退職されてから当院に来られる方は、「忙しくて歯医者は後回しにしちゃったけど、現役の時にもっとやっておけばよかったな」と仰います、歯科衛生士だからこそそんなお話よく聞きます。
―悪くなってから行くとお金と時間が取られますからね。「もうちょっと早く来てくれたらもっと簡単に出来たんだけどな」ということ、ありますか?
【黒川】
虫歯も歯周病も最初は自覚症状が出ないので、自覚症状が出て=重症になってから来られる方が多いです。場合によっては、歯を抜かざるをえないこともあります。
―重症化すると多く掛かる医療費の問題は、歯のクリーニングで改善が出来ますか?
【木村】
健康保険で歯のクリーニング/メンテナンスもできるようになりました。保険での歯のクリーニングは3割負担でおよそ3,000円です。来院回数も1回で終わりますし、全体では安上がりになります。
「何かあるから行く歯医者」じゃなくて、「何でもないときに行く歯医者」でありたい、ですね。
―ユニット(診察台)脇のコップの水が「次亜塩素酸水」で出てくる仕組みを設置している意義、ちょっと分かりづらいんです・・・説明お願いできますか?
【青野】
治療で使う殺菌水(次亜塩素酸水)は、院内の機械「エコシステム」(上記写真参照)で作っています。それを全部の診察台に流して、歯を削る機械からもそのお水(殺菌水)が出ます。うがいをするところで使うコップに入る水も全部その水(殺菌水)を使っています。うがいしたところの清掃する水も殺菌水を使っています。
なんでか?というと、歯医者さんの診察台で使う水のチューブの部分には既定の何千倍の汚い菌があるんです。
というのは、治療をした時にお水が垂れないように、歯を削る機械にちょっとだけ水が戻るようになっています。従来の仕組みだと、虫歯の治療でその水が戻ります→次の患者さんで使います→そのチューブのお水を使って治療するというのは、不特定多数の人とペットボトルの回し飲みをしているようなものかなというイメージです。
―こ、怖いですね・・・血も混じっているのですか?
【青野】
ありうるかもしれません。それよりも菌が戻ってしまうというのが多くあって、それを避けるために「殺菌水(次亜塩素酸水)」を閉院後にも流しています。
―院内で使う水の細菌がゼロなんですか?というか、細菌が入っている水って怖いですね・・・。
【木村】
本来は基準内で問題ないんですけど、当院では「菌がゼロ」が基準です。
スケーリング(歯石取り)をしているときもすでに殺菌水を使っているので、治療の上流で菌をせき止めているんです。
実は私達、殺菌水に慣れていて無意識になりがちですが、とても大切なことなのでちゃんとお伝えしないと、と思って。
―エコシステム(院内の水をすべて殺菌水にする仕組み)は大事ですね。
【青野】
私自身も「院内の水がキレイだから通いたい」と思います。患者さんでも、ホームページ見ていただいて「殺菌水を使っているから来ました」という方もいました。選んでもらえると嬉しいですよね。
―確かに、どこの歯医者に行くのかを考えた時に、殺菌水を使っている歯医者さんの方が安心安全ですよね。それと、ここに来れば自宅で使える殺菌水「次亜塩素酸水」も買えるそうですが。
【木村】
はいお口の中を診て、それからの処方になります。詰め替えでも使えて、詰め替えも人気です。「1回使ったらやめられない」という方が多いですね。1回使ったら実感出来ます。
今回お話しした話はちょっと難しいことも多いので、ぜひ60分枠を利用して直接お話しした方が分かりやすいと思います。
まずはご来院ただいて、お話を聞かせてください。
インタビュー:2024/10/22
取材後記
患者さんが気持ちよく痛みを感じないように、さらには費用的負担も少なくて済むように腐心していることが今回のインタビューでよく分かりました。患者さん目線を忘れない歯科衛生士さん、歯医者さんのハードルがぐっと下がります!
これからも相模原の皆さんのお口をよろしくお願いします!!