保険の入れ歯とKGKデンチャーの違い

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舘先生、「保険の入れ歯」と「KGKデンチャー」が実際どんなところが違うか、もっと詳しく知れば勇気を出して入れ歯相談会に行けるかも・・・。

そうですね、患者さんは皆さん控えめで時間の事まで気にしてくださっている方も多いので、こちらで予習してきていただけると更に深い話が出来ると思います。 マニアックすぎますが、少しでも入れ歯技工士さんの入れ歯に対しての情熱が伝われば嬉しいです。

「KGKデンチャー(超精密入れ歯)」と「保険の入れ歯」の作り方の違い

何が違うのか?入れ歯の素材はもちろん、型取りも、作る工程もすべてが違います。

1型取り時(医院内)

超精密入れ歯保険の入れ歯
画像
型取りの素材(印象材)3種類の「シリコン印象」
1つ目:ドロ~
2つ目:さらに柔らかいドロ~3つ目:水のように柔らかい素材(ミクロン単位で採れる)
※歯ぐきの端まで型取り可能
アルジネート印象(硬いもの)1種類のみ
※上記画像のイメージ
型取りの回数上記3種類の印象を3回に分けて取る。
3回×2(上下顎)=6回
さらにリハビリ&ファイナル入れ歯だと6×2=12回

1回(保険で決まっている)
型取り時の口の動き閉口法(へいこうほう):口を開けたり閉めたりするので、歯と歯ぐきだけでなく、ベロの動きや頬の粘膜も転写できる
→動画はコチラ
開口法(かいこうほう):
口を開けたまま
→歯と歯ぐきの一部しか型が取れない
→不安定な入れ歯になる
トレー「超」精密入れ歯専用オーダートレー既成トレー
技工士の立ち合いあり(最大6回:型取り・仮合わせ・入れ歯セットの3回×「リハビリ」「ファイナル」の2つの入れ歯)なし
噛み合わせを測る道具ゴシックアーチトレーサー
ロウ堤
噛み合わせの高さ適正(口の周りに張りが出て若々しく見える)高さが低い(口の周りのしわができやすい)
アゴの位置ゴシックアーチトレーサーで計測
→安定した数値が取れる
ロウを噛んで取る
→安定しない
先生→技工士への情報模型
指示書
問診票
ゴシックアーチトレーサー
口腔内写真/お顔の写真
2種類のレントゲン
技工士立ち合いで直接患者さんに会う

●ドクターと技工士の「協業」
模型
指示書
問診票
●ドクターが型取りしたものを技工所に発注する「別々の作業」

入れ歯技工所での製作工程

超精密入れ歯保険の入れ歯
画像
工程数225
※症例により大きく前後する場合があります
157
入れ歯の設計模型/ゴシックアーチ/顔貌写真/レントゲンを診て「入れ歯設計書」を作る



動画はコチラ
設計書はなし
(指示書のみ)
人工の歯の並べ方コンプシステム(近藤義歯研究所の特許)(※2)

技工士の経験により、仕上がりにばらつきが出る
お顔との写真分析あり(※1)

なし
人工歯患者さんに最も合う色・形・素材が用意できる

種類が限られているため、残っている歯と色・形のバランスがとりづらい
バネ(部分入れ歯の場合)残っている歯に負担を掛けないように設計
→動画はコチラ
残っている歯を取りかこみ固定するため、バネが見えたり違和感があったりする
床(しょう:歯ぐき部分)の素材・薄く違和感が少ない
・表面がツルツルのため汚れが付きづらい
・水を吸わない
・割れやすい
・かなり厚くなる
・水を吸うため、においや汚れが付きやすい
リハビリ入れ歯(噛み合わせ治療)あり(リハビリ入れ歯含め同工程で2回、入れ歯作成。下記はあたりの無くなった状態のリハビリ入れ歯)

なし

本番入れ歯セット時(医院内)

超精密入れ歯保険の入れ歯
画像
本番入れ歯セット時の技工士立ち合いあり

なし
フィット感骨を覆うように広い範囲をカバーしてるので、入れ歯がぐらつきにくい

狭い範囲で力を受けるので、入れ歯がぐらつく

痛みものを噛むときの圧力が、粘膜の広い部分に分散するので、痛みが少ないものを噛むときの圧力が、入れ歯を介して一部に集中して、痛みを感じる
すき間入れ歯と粘膜が吸盤と同じ原理で吸い付くので、空気や食べかすが入りづらいほっぺの端まで入れ歯が行ってないので、空気や食べかすが入って、入れ歯が浮く(転覆することもある)
見た目噛み合わせの高さが本来の位置に近くなり、若々しく見える
※リハビリ入れ歯をした場合
嚙み合わせの高さが足りないため、クシャおじさんのようになりがち

入れ歯道を邁進!「KGKデンチャー」ワンポイント講座!

入れ歯相談会で会える入れ歯技工士さんの、ワンポイント講座です!
「こんなことまでするんだ!」という驚きがあると思います。

その1顔貌分析(※1)

KGKデンチャーは「顔貌(がんぼう)分析」をします。

がんぼう?結婚願望?

いえ、違います。(笑)

パソコンで患者さんのお顔の写真を分析します。

それをもとに咬合器(ごうごうき:人のアゴに近い動きをする機器)に「コンプシステム」(近藤義歯研究所が特許を取っている歯の並べ方の下敷き)を使ってマウント(歯の模型を咬合器にを載せていく)していきます。

その2 KGKデンチャーは「コンプシステム」を使う(※2)

コンプシステムは、KGKデンチャーでしか使わないのですか?

そうです。

保険の入れ歯は、作るプロセスが違うので使えないんです。

保険の入れ歯はどうやってマウントするかというと、大体の目で見たバランスで技工士の勘所で並べていく感じです。

KGKデンチャーでコンプシステムの良さを最大限に引き出すために、このプレートを「耳珠(じじゅ:耳の穴の入り口にある出っぱり)」と「鼻翼(びよく:小鼻のこと)」を結んだ「カンペル平面」に並行に、または後ろを高くして測定します。

そのためにバー(カンペル平面板:下記画像)を入れる、そのために立ち合いが必要です。

KGKデンチャーには、これらの確固たる基準があるんです。

話が難しくて分からなくなってきました。

分からなくても大丈夫です。
入れ歯作りの技術のほんの一部をご紹介したまでなので、大船に乗ったつもりでお任せください。

その3 保険の入れ歯も患者さんの事を考えて作っています

保険の入れ歯にはどうしても出来ることが限られてしまいますが、その中でも結構患者さんのことを考えて作っています。

例えば「脳梗塞の後遺症などで右手が使いづらい」という情報があれば、「どうしたら外しやすいか」など患者さんの事を考えて作っています。

排列(はいれつ:入れ歯の歯を並べる工程)の担当者は、排列の出来る範囲で工夫をしています。

排列担当者、平崎さんのインタビューはコチラ

仕組み上、保険と入れ歯では出来ることが違いますが、入れ歯愛を持って治療に当たります!

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