清水優子インタビュー

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特別ゲスト 近藤義歯研究所 デンチャーアドバイザー
清水 優子 Yuko Shimizu

ひまわり歯科の入れ歯は、どんな場所でどんな人がどんな思いで作っているのでしょうか?
今回は、ひまわり歯科の入れ歯治療の右腕である「近藤義歯研究所」の入れ歯アドバイザー清水さんのお話を実際の現場を訪ねインタビューしました!

(義歯:ぎし、入れ歯のこと)

目次

ひまわり歯科と近藤義歯研究所とのなれそめ

入口に体温測定器もあって衛生管理バッチリな歯科技工所さんで、結構広いですね。

当社は入れ歯専門技工所ですが、入れ歯専門の割に人数も多いので見学に来られた先生方もビックリします。
通常、技工所は矯正装置や被せ物も作るので30~40人くらいいますが、義歯だけでこの人数は多いですね。

もしかして自費(保険外診療)の入れ歯しか作っていないのですか?

いえいえ、6割ほどは保険の入れ歯製作です。
弊社代表が院内の技工士から独立して約15年経ちます。

「技工所」じゃなくて「研究所」なんですね。御社のサイトに「入れ歯相談会」の様子の動画があったのですが、あれが悩んでいる人が一番知りたい情報だと思います。

ありがとうございます、弊社スタッフが取材して社内で編集しました!

KGKの良いところ丸っとインタビュー ひまわり歯科 舘院長

ひまわり歯科の舘院長がインタビューで「近藤義歯研究所がいない仕事は考えられない」と言ってました。

嬉しいですね、舘院長とは10年以上のお付き合いになり、当社の代表はじめスタッフとも一緒に釣りに行くなど公私ともに仲良くさせていただいています

ひまわり歯科さんと出会ったキッカケは?

舘院長が偶然当社の前を訪問歯科の車で通ったときに「義歯研究所って何だろう?」と思って気になっていたそうです。
舘院長は東京医科歯科大の高齢者歯科を出ているので、「いかにして高齢者の口腔機能を改善できるか」という思いと、当社の代表の「自分の歯のように食べられる入れ歯で貢献したい」という2人の熱い思いがどんどん形になって10数年ほど前から相談会を行っています。

入れ歯の患者さんは悩みが深く「どこの歯医者さんに行っていいか分からない」「入れ歯が動いて痛い」「食事が楽しめない」「選んで食べている」「人前で笑えない」など様々で、そんな患者さんの声を沢山お聞き出来るように相談会と言う特別な時間を設けています。
実は今日も歩行器を利用されている90歳の患者さんの最終的な入れ歯のセットだったんですね。

この患者さんは長年入れ歯が合わず、お食事中に動いてしまうためほとんど流動食となってしまい、同居しているご家族が心配され「自身で噛める入れ歯を作って欲しい」と来院し私がカウンセリングを行いました。
アドバイザーの私から見て「すぐにリハビリ用の入れ歯が必要だ」と感じました。

かみ合わせや噛むための筋肉の回復を目指す「リハビリ入れ歯」って?

リハビリ用の入れ歯?

リハビリ用の入れ歯とは、もともと歯があった頃の「噛む位置」で「噛むための筋肉の回復」を3ヶ月~半年ほどかけてトレーニングするものです。
日常生活(食事やおしゃべりなど)をリハビリ用の入れ歯で送ってもらう事で徐々に噛む位置が安定し、噛む筋肉(咀嚼筋:そしゃくきん)が付いてきます。
その段階で最終的な入れ歯を製作するのですが、この患者さんはご高齢のためゆっくり時間を掛けて生活習慣を変えていただいたので約1年掛かりました。
リハビリ中は徐々に食品目を増やしてもらうのですが、はじめのころはお新香なども小さく刻み、硬い物は食べられない状況だったそうです。
リハビリ用の入れ歯の目的は正しい位置で咀嚼筋(咬筋:こうきん)を鍛えることが目的なんです。

こうきん?

咬む筋肉(下記図参照)ですね。

入れ歯を入れても、そもそものご本人の顎位(がくい:アゴの位置)がズレていると噛めない、そうすると痛みが出たり入れ歯が転覆したりします。

入れ歯が転覆(てんぷく)?!

実は入れ歯っていくら型を精密に取っても、正しいところで噛まないとパカパカ動いてしまうんです。
なので、咬合圧(こうごうあつ:噛む力)を安定して掛けるためのリハビリをします。
歯の機能は、通常前歯で噛みちぎり、奥歯で擦り潰すようになっています。
だから、奥歯は「臼歯」といって「臼(うす)」という字を書くんです。
リハビリの入れ歯は、噛み合わせが安定するまで奥歯のデコボコをあまり立てずに広い面(許容範囲)で潰すようにしています。

噛める面が広いのですか?本当の歯はもっとギザギザしてますよね?

そうですね、ギザギザしている歯の方が食べ物を粉砕出来ていいのですが、噛む位置にバラつきがある方(安定していない)の場合には、広い面で咀嚼を受け止めないと入れ歯が大きく動いてしまうため、リハビリ用の入れ歯は面を広く(許容範囲)して、先ずは安定した位置で噛む習慣をつけてもらう必要があります。

この入れ歯の奥歯を指の腹全体で触ってみてください。

(触ってみる)確かに、最終的な入れ歯(ファイナル入れ歯)の方がゴツゴツしてますね。

そしてその噛む位置を見極めるのが非常に重要なんですが、今、舘先生と取り組んでいるのが噛む位置を測る「ゴシックアーチトレーサー」です。

噛む位置を測る、トレースする?ゴシックアーチってなんですか?

ゴシックアーチは、簡単にいうとアゴの形です。
「ゴシックアーチトレーサー」はその方の噛み合わせの高さや位置を確認(咬合採得)する治具ですね。

保険の入れ歯の場合には、この咬合採得(こうごうさいとく:噛み合わせに高さや位置を取る)はロウ提(ろうてい)というワックスを咬んで測ります。
硬いワックスを熱で軟化させお口に入れ患者さんに咬んでもらい、咬み合わせの高さや位置を決めます。

熱くなんですか?

柔らかくするだけなので熱くないです。
噛む位置や高さは歯があれば正しい位置に動くのですが、多くの歯を失ってしまうとアゴを動かす筋肉の動きが頼りになるので、前後・左右のどこが正しい位置か分からなくなってしまうんです。

筋肉のバランスが左右で違う?

そうです。
技工士はそれらの情報をもとに入れ歯を作るので、より多くの正しい情報があれば患者さんが喜ぶ入れ歯ができるという訳ですが、ロウ提だけではあまりにも情報量が少ない事が多いのです。

「ゴシックアーチトレーサー」であれば、ネジで1回転1ミリずつ高さを上げたり下げたり出来るので、ワックスのロウ提と違い、噛み合わせが低いか高いか患者さんに確認しながら何回も調整できるんですね。
そうすると、その人が本来心地いい高さや噛み合わせ(筋肉の動き)位置が分かるんです。
例えば、自転車は何十年乗らなくても思い出せるように、噛む位置も思い出せるんですよ。

すごい説得力・・・入れ歯作りたくなってきました。(笑)

ありがとうございます。
私は入れ歯を入れて良くなっている患者さんを知っていますから、その人の思いを伝えられます。
これで入れ歯の高さが決まります。
実はこの高さには法則・・・入れ歯のシークレットルールがあるんです。

入れ歯のシークレットルール?!

シークレットルール?!

身体には法則性がありまして・・・両手を広げると身長と同じくらいなんです。

更に、手のひらを開いた長さと、肘から手首までと、が足のサイズと言われているんです。

私、足のサイズ23.5㎝で親指から小指まで20センチ、手首まで残り3.5㎝ほど、ほぼ同じです。
と同じように、噛み合わせの高さは鼻下(びか:鼻の下)からアゴの下のオトガイ(下記画像参照)の長さなんです。

この長さは、目じりと口角、耳の大きさ、指の4本分とほぼ同じなんです。

測ってみましょう。
はい、鼻下からオトガイまで6.2センチです。

お耳も同じです。

お指4本分の長さもだいたい同じ。

今度は目じりと口角です。

チョット面長なお顔なので目じり口角の方が長いですね。
これで歯をなくされても、大丈夫です。
「咬合高径(こうごうこうけい)は、62ミリです」と、ぜひ覚えておいてください。
ちなみに、女性の平均は65~68ミリくらいです。
この長さは、無歯顎(むしがく:歯がない状態)になると沈んで短くなります。

クシャおじさんみたいになるということですね。

はい、沈んだ噛み合わせをしている方、いっぱいいいらっしゃいます。
これは、ウイルス法という理論なんです。
ただ現代人は、いろいろなパーツがどんどん小さくなってウイルス法が指標になりづらくなっています。
ちなみに当社代表は、全部72ミリぴったり黄金比です。

90歳の方がおせんべいをボリボリ

話は戻り先ほどの患者さんですが、最終的な入れ歯での目標が「大好きな堅焼きおせんべい」と「お新香(奈良漬)」となかなか高いハードルでした。
今日、目の前で最終的な入れ歯をいれ、いい音が聞こえて時には飛び上がるほど嬉しかったです!!

実は最初口に入れたときに「噛めない」っておっしゃったんです。
噛めない期間が長すぎると脳が「噛めない」と認識しているので、はじめのうちは力が入らない事があります。
例えば、足を怪我されて長い期間歩いていないと、リハビリを終えても歩けるのかどうか不安な気持ちになると思います。
入れ歯もそれと同じで「高齢であればあるほど」「食べられない期間が長ければ長いほど」脳が回復した機能を認識するのに時間が掛かります。

「絶対噛めるから大丈夫ですよ、ゆっくり食べましょう」とお話ししたら思い出すんですね、90歳の方が。
最初はちょっとずつ、噛める事が分かるとボリボリと音が聞こえるほどしっかり咀嚼を始めました。(上は総入れ歯、下は部分入れ歯)

それは超感動ですね!

はい!毎回感動します。
そして当社代表が若かりし頃からしている「(入れ歯)セットには技工士が立ち会い、この瞬間の笑顔を見る」が実践されています。
技工士が「自分の製作した入れ歯で、どのような変化が患者さんにあったのか?」が分かる瞬間に立ち会い、「患者さんってこんなに喜んでいるんだ」という事を知らなければ真の貢献にはならないと「信念」を持っているからです。
弊社の技工士は多くの立会いの中から「どうしたら患者さんに喜んでもらえるか」「周りの方と同じスピード・選ばない食事をしてもらえるか」など常に考え、製作しております。

患者さん側も安心ですね。御社の技工士さんは「この入れ歯は、あの人のために作っているんだ」という事を思い浮かべながら仕事が出来ていいですね。

そうなんです、顔の見える仕事って大事なのです。
弊社では全口腔内を見て、入れ歯の設計を考える事を常に念頭において製作してます。
逆に言えば、歯の無い所だけを見て入れ歯の設計をしない事です。
例えば、上の入れ歯を作るのなら、下の歯のクラウン(歯の被せ物)の角度や上下咬み合う平面(咬合平面:こうごうへいめん)を見て、明らかに入れ歯にとって条件が悪いのであればクラウン(歯の被せ物)を入れ歯に合わせて作り直さないといけないなど。

実は、天然の歯は年齢と共に摩耗します・・・20代は下前歯の長さは約9ミリあるのですが、年齢を重ねたり歯を失う事で噛み合わせが低くなると摩耗が進み、7ミリ以下になった時点でクラウン(被せ物)にしないとその方本来の噛み合わせの高さや位置が変わってしまう傾向にあるんです。
そういう現状を理解してもらうのが、私たちの仕事です。

「噛めるためにどうしたらいいか」を最初に考える

なるほど、なかなか難しいですね。

こういう説明を先生がするのは大変です。
治療の忙しい中で時間を掛けて説明するのは、本当に難しいと思います。
先生が話す時間がないので、話せるスタッフさんが必要なんです。
もちろん入れ歯の専門家である私たちもサポートしますが、悩みを聞いて解決できるかもしれない提案や寄り添ってくれるスタッフさんが居れば患者さんは安心して治療に望めますよね。
私は今そのようなスタッフが一人でも多く存在して貰えるよう山形や大阪、群馬など遠方の歯科医院で講師として活動もしています。
通常技工所は入れ歯を作って終わりなのですが、弊社の技工士は入れ歯の調整や患者さんの状態も診て不安な事へのフォローもしてます。

確かに入れ歯は作ってからがスタートですよね、アフターサポートがあれば安心です。

当社代表はよく「義歯のレクサスを作りたい」と言ってます。
形だけのブランドではなく、本質にこだわり本物を追求するという意味です。
弊社の企業理念は「患者さまの為に存在する技工士」ですので、現場に立会って患者さんにお会いし製作をしています。

舘先生が「義歯(ぎし:入れ歯)は義手義足と同じ」と言っていました。適当に作っていいものではないという事が分かります。もともとの噛む位置が分からなくなってしまった人の噛み合わせを考えるってすごいな~!と思います。

ありがとうございます。
噛み合わせと並んで非常に重要なのが「型取り」なんです。
型取りは、フルオーダーのお洋服でいう「寸法取り」と一緒です。
どれだけいい生地を使っても採寸がずれていたら、いいお洋服にはなりませんよね。
採寸作業=精密な型取りなので、それなくしてこの嚙み合わせは作れないんですね。
精密な型取りだけで1時間半くらいかけてやるんですよ。

1時間半?!

印象採得(いんしょうさいとく:型を取る事)は先生がしますが、技工士も同席し入れ歯に必要な型が取り切れていない部分は無いか、あるいは型が大きすぎてはいないかなどの過不足をなくしていくために、削合(さくごう)してまた材料を重ねていく作業を院内で行います。

3層になっているの、わかります?

最初に緑色の堅めの材料で「動的印象(どうてきいんしょう)」を取ります。

どうてきいんしょう?

頬っぺたの筋肉やベロの動きを「転写」

通常歯医者さんで型取りする時「口を開けたまま動かないでくださいね~」ってやりますよね。
動的印象と言うのは、文字通り口を動かしてイーウーと最大限に動かしてもらいます。
なぜかというと、頬っぺたの筋肉やベロの動きをこの型に「転写」していくんです。
この人の筋肉やベロは最大どれくらい動くのか?が分からないと過不足も分からないですからね。
意識している人はいませんが、咀嚼や発音の時はベロや頬粘膜(きょうねんまく:ぽっぺたの粘膜)がいっぱい動いているんです。

そりゃそうですね、ちなみに普通の型取りに使う材料とは違うんですか?

そうですね、多くはアルジネートと言う材料を使用しています。
アルジネートは硬化時間(固まる時間)がとても早く、混ぜる水や室内の温度などにも影響されてしまう材料です。
型取りの方法は2つ、口を開けてして動かない「開口印象」と「動的印象」があります。
普通よくやる開口印象は、材料が動かないよう固まるまで指を押し当て、口を開けた状態で型取りをします。これを開口印象と言います。
口が開いた状態で型を取る時頬っぺたは伸びてますよね、「はいいですよ」と取り出した瞬間に頬っぺた縮んでいますよね。
開口印象は、開けたり閉めたりという動きがある口なのに、口を開けた状態でしか型が取れていないのです。

口の周りにある筋肉って実はものすごく強いので、その筋肉に押されて入れ歯がパカッと外れるんですね。
なので動く筋肉に対しての再現性の高い型取りをするため、硬化が遅く流動性のよいシリコンという材料を使って患者さん自らお口を動かしてもらう「動的印象」が重要なんです。
その型取りの段階で、どれくらい頬っぺたが動いているか、どれくらい筋肉に押されているか、などを見極めながら材料を削ったり足したりするのがとても重要なので、入れ歯を多く見て製作している技工士が立会いサポートしています。
まさに「チーム医療」です。

歯の型取りの段階で、実際に入れ歯を作る技工士さんがサポートしてくれるんですね!!

はいそうです!
そこが重要なんです、患者さんにイーウーって動かしてもらって小帯(しょうたい)や粘膜を型に転写し、再現性の高い形に整えていくんです。

小帯(しょうたい)って何ですか?

上アゴにも下アゴにも、歯と唇・頬の間に様々な筋があります、それが小帯です。
細部まで型取りが出来ればいのですが、保険で使用するアルジネートと言う材料では限界があります。
保険に限らず、精密な型取りや噛み合わせが違っていると、高額な費用で自費の金属床入れ歯を作っても噛めていないという人も多くいらっしゃいます。
そんな患者さんにお会いするたびに「今度こそはと信じていただきたい」と強く感じます。
企業理念(https://kondogiken.com/rinenn01.html)に「我々は患者様のために存在し、患者様のために技術革新し、患者様の痛みのない生活に貢献し・・・」とあります。
海外には「デンチュリスト」という仕事があって、カナダで日本人初のデンチュリストになった人がいます。

デンチュリスト??

はい、歯科医師をデンティスト(dentist:歯医者)というように、入れ歯(デンチャー:dentures)を作る医院を開院できる人をデンチュリスト(denturist)といいます。
その方がなんと、もともと当社に勤めていただいていた方なんです。

おお!取材したいです。日本人は手先が器用なので海外で重宝されると聞いたことがあります。患者さんを向いて仕事をしていますね。

弊社の代表が口癖のように言ってるのですが、近江商人のように「三方よし」でないといけないと・・・「患者よし」「ドクターよし」「技工士よし」です。
入れ歯は噛む事(咀嚼)が出来、且つ飲み込む(嚥下)までが義歯の役割です。
歯が咬み合う「咬む」と咀嚼の「噛む」は意味が違います。
歩けない義足を付けてもしょうがないですよね。

せっかくなので、是非技工士たちの仕事している姿も見てください!

入れ歯制作の現場へ突撃レポート!

という事で、入れ歯制作の現場にお邪魔しました!
バキューム(吸引機)と歯を削る道具(研磨)の音が鳴り響いています!
歯医者さんのにおいがします。(※即時重合レジンというプラスチックのにおいだそうです)
工場見学みたいで面白かったです!!

コチラは模型の洗浄をしている部隊です。

患者さんの笑顔の為に、入れ歯が出来るのを待っている患者さんを想像しながら作業しています。
清水さん曰く「彼らの作る入れ歯を信じています」とのこと。
下記写真は、最終的なツヤを出しているところです。
ピッカピカの入れ歯です!

清水さん曰く、ずっとこの作業をやってくれている彼の右に出る人はいないとのこと。
イケメンなので、ホームページにも出ているそうです。
ちなみに、歯科技工士は国家資格です。
近藤義歯研究所さんは平均年齢が30代、55歳の代表が一番年上で、若さ溢れるエネルギッシュな職場です!

【マメ知識】

「噛む」と「咬む」の意味の違いは?

患者さんの「噛む」は「モグモグゴックン」を目指している。
歯科医師の言う「咬む」は・・・よく歯医者さんで噛み合わせを見るのにカチカチしてくださいっていうのは、咬合紙(こうごうし)といって「咬む」の方の漢字なんですね、歯と歯が交わっているというだけなんですね。
歯のデコボコ(奥歯の溝、山切りカット)が合っている=嚙めるじゃないんですね。
どうやって食べているかというと、ベロで歯の溝の上に食べ物をのせて歯の溝で食べているんですよね。

・・・そうなんですか??まったくもって意識したことありませんでした。

嚙むときに上と下、どちらのアゴが動いていると思います?
実は、下のアゴしか動いていないんです、上は一切動かないんです。
ということは、筋肉の位置がずれると簡単に噛むバランスが崩れるんです。
歯がある人は自然と噛む位置に戻ってくるのですが、歯がない人は噛む位置がないので術者(歯科医師)が付与した噛み合わせの位置にしか戻らない、でもその位置が正しい位置なのかどうなのかは誰にも分らない。
入れ歯だけを見れば合っている「咬合」なのですが、患者さん的に「噛める」になっていないから「この入れ歯では噛めない」ということになるのです。

深いですね。こういうことをセミナーで話しているんですか?

はい、でももっともっと分かりやすくそれこそ「噛み砕いて」話します。
実はカウンセリングってとても大事なんです。
患者さんは先生にはなかなか本音が言えないんです。
ひまわり歯科に電話すると、受付の方が最初から寄り添ってくださるんですね。
思いのたけをぜひお聞かせください。

インタビュー:2021/9/28

【取材後記】

実際に使う人と作る人とが顔を合わせることで、患者さんの不安は吹っ飛び、技工士さんのモチベーションも上がるだろうと技工士さんの仕事ぶりを見て感じました。
従来のやり方に縛られないひまわり歯科も近藤義歯研究所も、本当にいい仕事のパートナーとお見受けしました。
現場の壁に「シンメトリーは美しい」というポスターがあり、入れ歯の哲学すら感じました。
入れ歯で悩んでいる方が一人でも減るよう、一消費者として切に望みます。